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東京という街の「記憶」 〜だれかのことを強く思ってみたかった〜

作家の角田光代さんが好きだ

 

10代の最後の夏休みに蓼科の温泉にリゾートバイトに行った

そのとき八ヶ岳のリゾナーレに連れて行ってもらって

そこの素敵な本屋さんで一冊の本に出会った

 

それまで本なんて読んだことがなかったし

興味もなかったけれど

その日から本が好きになった

 

「だれかのことを強く思ってみたかった」

 

作家の角田光代さんと、写真家の佐内正史さんが

東京を巡り、それぞれが切り取った

東京という街の「記憶」

 

 

東京にでてきて10年がたった

 

東京は洗練された街だと思う

ずっとここにいたいかと聞かれたら、わからないし

でも夢を叶えるためにここにいる

というような大それたことでもない気がする

ただ、その洗練された、変わらずにあるその空気が

わたしの原動力になる

 

角田さんは

東京という町を、好きか嫌いかと思うことは難しい。

好きでもないし、嫌いでもない。

あるいは嫌いだし、同時に好きでもある。

そんな風に思える町があること、

そんなふうに関わることのできる場所があることを、

私はとてもうれしく思う。

と書いていた。

 

同じものが何ひとつなく、雑多なものがつなぎあわされて、

しかも、止まることがない、つねに動き続けて

永遠にちがうかたちをつくる、グロテスクなモンスターみたいな街。

自分という存在が、経験しなかったことで成り立っていて、

そしてそれはすべて、自分だけのものとして、失うということが永遠にない。

 

ストーリーのひとつひとつが、なつかしいかんじがした

わたしにもあったような、なかったような

 

 この本の好きなところをなんて言ったらいいかわからないけど

 

わたしにとって東京とは

と、千葉の実家から東京に戻るバスでいつも考える

 

東京と向き合う

そして本の面白さを教えてくれた

わたしの原点の本

 

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